私たちがFXで行うべきこと
前回のページで、「FXで100%勝てる必勝法は存在しない」ということを、お伝えしました。
為替市場というのは、1日5兆ドルという莫大な資金が世界中で取引されていて、
しかも、人の思惑によって値が動いていくので、その値動きを100%読むことはできないということです。
ただ、FXで利益を得ていくためには、値動きを100%当てることはできなくても、「値動きを予想する確率を上げていくこと」は必要です。
値動きを、ある程度 予想しながら取引をしていかないと、「カン」に頼った取引になってしまいますからね。
値動きを予想する確率(値動きを当てる確率)をできる限り高くして、少しでも多くの利益を得て、そして、トータルでプラスにすることが、私たちがFXで行うことだと思っています。
では、どのようにすれば、値動きを当てる確率を高くできるかというと、そのために必要なものが、「知識」と「経験」の2つです。
FXで利益を得るためには「知識」が必要
FXで利益を得るためには、「知識」が絶対的に必要なものになります。
なお、ここでお伝えしている知識というのは、FXの基礎的な知識だけでなく、「資金管理に関する知識」や「為替相場の値動きに関する知識」、そして、「人の心理(人はどのようなことをしてしまうのか)」などの知識のことです。
たとえば、FXで大きな損失を出してしまう人は、「買って上がったら利食いをする。もし下がったら買い増しをして、買ったときの値段よりも上がったら利食いをする」という取引をしている人が多いです。
このような「ナンピン買い増し」の回転売買は、レンジ相場のときはとても有効ですが、相場が一方的に下がっていくトレンド相場のときは、一気に含み損が拡大しますよね?
そして、「もう耐えられない!」という状況になって、損切りをして、一度の負けで大きな損失を出してしまう人が、とても多いのです。
資金管理や、為替相場の値動きに関する知識がないと、相場の状況が変化に対応することができないので、いつか、FXで大きな損失を出してしまうかもしれません。
また、レバレッジを高くしたトレードを行った場合、トータルでマイナスになる可能性が高くなります。
その理由は、レバレッジを高くしてトレードすると、「利食いは小さく、損失は伸ばす」という傾向になりやすいからです。
具体的には、人は、利益を得たときよりも、損したときの感情の方が大きいと言われています。
そのため、レバレッジを高くしてトレードして、もし含み損になっていると、その大きな損失をなかなか確定することができないのですよね。
この結果、損失の方が大きくなってしまい、トータルで負ける可能性が高くなるということです。
FXをやるなら、このような、人の心理も知っておくことが必要になります。
短期間であれば、FXで利益を得ることはできると思います。
特に、初心者の方は、資金管理や値動きに関する知識が少ないので、「怖いもの知らず」という感じで、レバレッジを高くした「ナンピン買い増し」を行って、利益を得ていた人もいると思います。
しかし、このような取引は、相場の状況が変化したら一気に大損してしまいます。
だから、FXで長期間、利益を得続けるためには、相場の変化に対応することができる「知識」が、必要になるということです。
経験を得ると、相場の値動きが
なんとなく分かるようになる!
そしてもう1つ、FXで利益を得るために必要なものが、「経験」です。
経験が必要な理由は、FXを長くやっていると、相場の値動きが、なんとなく分かってくるからです。
たとえば、相場に長く参加して、いろいろな値動きを経験すると、「過去に同じような値動きがあったな」ということに気づけるようになりますし、ポジションを持っていて、「何か嫌な感じがするな・・」ということにも、気づけるようになります。
また、いろいろな値動きを経験することで、「何があるとどれくらい値が動くのか」ということが自然に分かるようになり、為替相場の値動きのほとんどが、「想定内」になるのですよね。
実際に、大きな損失を出してしまった人は、「想定外の値動きだった・・」と言うことが多いのですが、経験を得ることで、相場の値動きのほとんどが「想定内」になり、値動きのイメージがしやすくなるということです。
頭で覚えた知識というのは、忘れてしまうこともありますし、すぐに取り出すことができない場合があります。
しかし、自分で経験したことは、感情と一緒に、心に刻み込まれるため、すぐに取り出すことができるのですよね。
知識はもちろん大切ですが、その知識という土台の上に、経験が積み重なることで、FXで損をする確率を減らし、FXで利益を得られる確率を高くすることができるということです。
これが、私がFXを10年以上行ってきて、
たどり着いた結論
私は、FXは10年以上行っていますが、その間に、たくさん損をしてきました。
1日で数百万円の損失を出してしまったことは、一度や二度ではありませんし、運用資産のほとんどを失って、相場を退場した経験もあります。
その私の経験で、たどり着いた結論が、FXで利益を得るためには、「知識」と「経験」の2つが必要ということです。
もちろん、知識と経験を得るためには、時間がかかります。
特に、経験を得るためには、長く相場に参加していることが必要であり、どうしても時間がかかってしまうのですよね。
だからこそ、FXで長期間、利益を得ていきたいのであれば、最初は利益を得ることよりも、「損をしないこと」を重要視するべきだと思っています。
FXで最悪なのは、大きな損失を出して、相場を退場することです。
大きな損失を出してしまい、相場を退場してしまうと、経験を得ることができないからです。
実際に、世界トップレベルの投機家であるジョージソロスも、「まず生き残れ。儲けるのはその後だ」と言っていますし、ウォーレンバフェットも、「ルールその1: 絶対に損をするな。 ルールその2: 絶対にルール1を忘れるな」と言っています。
世界トップの投資家と投機家が、同じようなことを言っているのですから、「まず損をしないこと」というのは、正しいことなのだと思います。
そして、大きな損失を出さないためには、レバレッジを下げて、取引することが必要です。
レバレッジを高くして取引すると、そもそも不利ですし、レバレッジを高くして取引すると、大きな損失を出してしまう危険性が高いからです。
「儲けたい!」という気持ちはよく分かりますが、その気持ちを抑えて、最初はとにかくレバレッジを下げて、取引するようにしましょう。
大きな損失を出さないで、相場に長く参加していれば、経験を得られますし、知識もついていきます。
そして、知識と経験を得ることで、自分にあったトレードスタイルも見つかるはずですよ。
私も、知識と経験を得ることで、「そのときの相場の状況に合わせて、流動的にトレードスタイルを変えていく」という、自分のトレードスタイルを身につけることができました。
その結果、FXで利益を得ることができるようになり、FXから得られる収入は、現在の私にとって、とても大きな割合を占めるようになっています。
ただ、もしかしたら、これを読んで、「知識と経験を得ることは時間がかかるし面倒だ。もっと簡単にFXで稼げる方法はないのか?」と思われるかもしれません。
もし、このように思われた場合は、もう一度、「FXで100%勝てる必勝法が存在しない理由とは?」のページを読んでみてください。
存在しないものを探し続けたら、永遠に、探し続けることになってしまいますよ。
FXで100%勝てる必勝法が存在しない以上、相場の値動きを読む確率と、FXで利益を得られる確率をできる限り高くして、トータルでプラスにできるようにするしか、方法はないと思います。
そのために必要な2つのものが、「知識」と「経験」であるため、FXを行う前に、ぜひ知っておいていただけたらと思います。
そして、次のページでは、「私がFXを10年以上行ってきて、FXで最も難しいと思ったこと」をお伝えします。
FXでは、知識と経験を得ることよりも、難しいことがありますので、最後に、ぜひ読んでみてくださいね。